乾燥からのお肌への影響について
2019.01.11
バリア機能が低下すると、肌は乾燥する
一生懸命スキンケアしたり、加湿器を使ったりしてもなかなか良くならない乾燥肌。
乾燥肌とは、「バリア機能」といわれる皮膚の水分保持機能が低下している状態です。
正常な肌では、皮膚の一番表面にある「表皮層」の中でも、最も浅い部分の「角質層」に、
皮脂・天然保湿因子(NMF)・角質細胞間脂質(セラミドなど)がバランス良く配置され、
必要な水分が蒸発しないようガードしています。これがバリア機能です。
しかし、なんらかの理由でバランスが崩れるとバリア機能が低下し、
水分を保つことができない、「乾燥肌」といわれる状態になります。
肌が乾燥する主な「原因」
1.冬の乾燥した空気や暖房
肌は外気の影響を受けやすいため、季節が変わると肌トラブルが起こることも。
特に空気が乾燥する冬は、いつもは健康な肌でもカサカサの状態になりやすくなっています。
室内のエアコンも、乾燥を引き起こす原因に。
2.過労やストレス
過労やストレスは、自律神経の失調を招きます。
それにより血行が悪くなったり、腸の働きが低下したりして、肌のトラブルを引き起こします。
また、ホルモンのバランスも崩れるため、
ターンオーバー(肌の代謝サイクル)にも影響をおよぼします。
3.偏った食生活による栄養不足
偏った食生活も、乾燥肌の1つの原因と考えられています。
肌に良い「必須脂肪酸」や「カロテン(ビタミンA前駆体)」などの栄養素が不足することも、
肌トラブルの原因となります。
4.入浴
入浴後20~30分たつと、肌は入浴前より乾いた「過乾燥」状態になってしまいます。
入浴後の過乾燥には、
入浴時の大きなリスク「洗うリスク」と「つかるリスク」が関係しています。
気温が低く空気が乾燥する冬の気候が肌の乾燥の原因
冬になると、なぜ肌が乾燥するのでしょうか。それは「気候」そのものに原因があります。
冬は気温が低くなり、空気が乾燥するという特徴があるのですが、
実は、冬の乾燥肌はこの気候の変化に人間の体が
対応しようするために引き起こされるものなのです。
では、どのように人間の体が反応していくかといいますと、
まず気温が下がってきたことに対し、体温を維持しようと皮膚表面の血管を収縮させます。
そして、この血管を流れる血液の量が少なくなるため、
皮膚の健康維持に必要な物質に栄養が充分に届かなくなります。
ここでいう皮膚の健康維持に必要な物質とは、水分量を維持する細胞間脂質の「セラミド」、
水分の蒸発を防ぐ「皮脂」のこと。これらの働きが皮膚の「バリア機能」となっているのです。
セラミドと皮脂に充分な栄養が届かず、その働きが充分に発揮できなくなることに加え、
空気が乾燥している冬の気候の特徴が皮膚から一層、水分を失わせていきます。